NEO環境末期におけるスタンURデルバーの現状解説

前回: https://gintenlabo.hatenablog.com/entry/2022/02/21/041542
基本的な解説: https://gintenlabo.hatenablog.com/entry/2022/02/09/215915

M:tGの新弾、ニューカペナの街角のフルスポイラーが発表され、今週末にはプレリリースが控える今日このごろ、いかがお過ごしだろうか。
今回は新カードの参入により環境が変わる直前ということで、現段階で筆者が回しているスタンダード青赤デルバーの現状を解説させていただこうと思う。
拙い部分もあるだろうが、最後までお付き合いいただければ幸いである。

現状のデッキリスト

Deck
1 Island (BFZ) 255
1 Mountain (BFZ) 265
4 Stormcarved Coast (VOW) 265
4 Shatterskull Smashing (ZNR) 161
4 Sea Gate Restoration (ZNR) 76
4 Jwari Disruption (ZNR) 64
4 Spikefield Hazard (ZNR) 166
4 Riverglide Pathway (ZNR) 264
4 Delver of Secrets (MID) 47
4 Spectral Adversary (MID) 77
2 Reckoner Bankbuster (NEO) 255
3 Bloodthirsty Adversary (MID) 129
4 Expressive Iteration (STX) 186
2 Hall of Storm Giants (AFR) 257
3 Roil Eruption (ZNR) 155
2 Abrade (AKR) 136
2 Heated Debate (STX) 106
2 Negate (ZNR) 71
3 Disruption Protocol (NEO) 51
3 Discover the Impossible (NEO) 50

Sideboard
2 Negate (ZNR) 71
1 Test of Talents (STX) 59
2 Burn Down the House (MID) 131
2 Dissipate (MID) 49
3 Dreamshackle Geist (VOW) 58
1 Abrade (AKR) 136
2 Hullbreaker Horror (VOW) 63
2 Memory Deluge (MID) 62

https://gist.github.com/gintenlabo/7349b30998eb1351e6853994b434d87c/e0daf4cde26f8d34334f9d4d8421ab1399fa8120


概要

基本的なコンセプトは先の記事で解説したときと変わっておらず、

  • 《秘密を掘り下げる者》(以下デルバー)を速やかに変身させることによる速攻
  • 《幽体の敵対者》(以下青敵対者)と《血に飢えた敵対者》(以下赤敵対者)、《ストーム・ジャイアントの聖堂》をフィニッシャーに据えた長期戦

この両方を見据えたアグロ・コントロールデッキである。

強みとしては速攻と消耗戦という2つの速度に対応していて柔軟に立ち回れる点、
弱みとしては どちらのプランを取るにしても中途半端になりがちで、どちらかに特化したデッキのカードパワーに押されて負けるケースが多い点が挙げられる。

それでは、採用されている各カードを見ていこう。

土地基盤

1 島
1 山
4 河川滑りの小道
4 嵐削りの海岸
2 ストーム・ジャイアントの聖堂

ここは先の記事で紹介したものと変わらず固定である。
色マナ安定のために2種8枚の二色土地は必須だし、基本土地がないと《廃墟の地》等に弱くなる。
また、コントロールプランのために《ストーム・ジャイアントの聖堂》は2枚必要だ。

4 海門修復
4 髑髏砕きの一撃
4 ジュワー島の撹乱
4 棘平原の危険

ここも変化ない。
スペルランドの水増しとして《ヴァラクートの覚醒》等を入れることも考えたが、枠が足りずに不採用になった。

クリーチャー

4 秘密を掘り下げる者
3 血に飢えた敵対者
4 幽体の敵対者

ここも変化なし。 飛行クロックであるデルバーと青敵対者は4枚固定。 いつ引いても嬉しいカードだ。
赤敵対者は2マナ2/2速攻として運用するのがあまり強くなく、序盤に引きすぎると手札で腐りがちなので3枚に抑えられている。

妨害

(4 棘平原の危険)
3 乱動の噴火
2 削剥
2 白熱する議論
(4 髑髏砕きの一撃)

除去枠。 枚数が少し控えめになっているが、これはドロソで探すことを前提としているからである。
アグロ相手に除去が間に合わずに負けることも多いため、ここはもう少し増やす必要があるかもしれない。

(4 ジュワー島の撹乱)
2 否認
3 攪乱プロトコル

カウンター。 《否認》は対象を選ぶが、現状のスタンでは刺さらない相手がほぼ皆無なので問題なし。
《攪乱プロトコル》は後述する《勢団の銀行破り》《不可能の発見》の両方とシナジーするナイスカウンター。
ただ3枚は少し多いかもしれない。除去に差し替えたほうが安定しそうである。

ドローソース

4 表現の反復

言わずと知れた最強ドロソ。 青赤を使う理由の殆どはこれにある。
ただ、「アグロ相手に序盤にあまり引きたくないカード」ではあるため、アグロが多いようなら採用枚数を減らす必要があるかもしれない。

2 勢団の銀行破り
3 不可能の発見

神河からの新カード。 どちらも《攪乱プロトコル》とシナジーする。
ゆっくりとだがアドが取れフィニッシャーにもなる《勢団の銀行破り》は対コントロールで輝く1枚で、
2マナで《攪乱プロトコル》を構えられ、相手の動きがない/打ち消す必要が薄い場合には構えた2マナでドローできる良カード。
アドこそ取れないが状況に応じたカードを探しやすい《不可能の発見》は、追放したカードが《攪乱プロトコル》なら追加コストを支払って即座に唱えられるのが便利である。

(4 海門修復)

一応ドロソ枠には入るが、ドロソとして使われることはほぼ無い。

サイドボード

2 否認
1 才能の試験
2 雲散霧消

追加のカウンター。 少々厚く採りすぎな気がしないでもない。

1 削剥
2 家の焼き払い

追加の除去。 少々枚数が少ない気がする。

2 記憶の氾濫

追加のドロソ。 メインに無いのは、4マナと重いため、下手に撃つと《放浪皇》を通してしまう危険性があるからである。

3 夢鎖の霊
2 船砕きの怪物

追加の生物。 《夢鎖の霊》はアグロに、《船砕きの怪物》はコントロールに入れる。
アグロ相手の《夢鎖の霊》は、除去されなければダメージレースで ほぼ勝てるカードなので3枚必須。
一方で《船砕きの怪物》は、これでないと対処できない生物がいるためサイドに入れてあるが、サイドイン率は低めである。

採用されなかったカード

ヴァラクートの覚醒

追加の土地兼ドロソ。
土地が伸びることが嬉しいこのデッキでは ほぼ土地として運用されるため、そこまで強くはない。
一応、コントロール相手のメイン戦で腐った除去を有効牌に換えられるのは評価できる。
メインの除去を増やす場合には採用を検討してもいいかもしれない(が、枠があるかは微妙である)。

消えゆく希望

現行の環境でバウンスが強くないため抜けた。《記憶の氾濫》がサイドに移った関係でアド損が辛い。

プリズマリの命令

枠がなくて抜けたが、環境次第では普通にサイドに入るカード。

炎の排出

X火力が必要なら。 青敵対者や赤敵対者と相性がいいのは魅力。
赤敵対者から唱えた場合にも2点入る(赤敵対者にカウンターが先に乗るため)のは偉い。

呪文貫き

速攻プランをバックアップするカウンターとしては最強クラスだが、魂力に無力な点、
また消耗戦でトップしたときに絶望的に弱い点を加味して不採用に。
《プリズマリの命令》や《ヴァラクートの覚醒》などで有効牌に換えられるなら採用も検討できるか。

ニューカペナの街角で採用を検討しているカード

とんずら

一見入りそうに見えるが、打点の上乗せには基本ならないし、攻撃クリーチャーを守ったときにダメージレースで不利になるのが痛い。
一応、相手のブロッカーを一時的にどかす目的でも使えるため、完全に腐ることは無いのが救いか。

かき消し

このデッキでは ほぼほぼ《火消し》だが、早い環境では入れたほうがいいケースもあるかもしれない。

断れない提案

終盤に引いて腐らない《呪文貫き》というと聞こえはいいが、序盤に使うと相手に利益を与えすぎてしまうのが痛いか。

警備の抜け道

ルーティングしつつクリーチャーを継続的に強化できるのは強い。 スペルランドを多く採用しているこのデッキにも合っている。
これを採用するなら、デッキ内容をより速攻よりにするべきか。

絞殺

2点インスタント火力と競合するが、アグロが増えた場合に採用を検討できそう。
《不可能の発見》との相性が悪いのがネックか。