国王ギルガメッシュレポ その11

〜前回までのあらすじ〜


遥か昔、極東の半島に栄えた超古代文明。その中に、世界制覇の野望を持つ部族がいた。だが、彼らは、ある時忽然と歴史から姿を消す。後にウルクと呼ばれることになる、小さな集落を残して…。


* * *


9世紀末――シュメールの指導者ギルガメッシュは、隣の文明の指導者サラディンを攻撃し、支配しようとした。だが、激しい防衛志向を持つサラディンは、シュメールのユニークユニット、死鳥隊(斧兵の代替)をよそに徹底抗戦を計画する。それをシュメールに気づかれたサラディンは、パルチザンを組織する。パルチザンは、都市の市民を蜂起させ、恐るべき即席軍隊をを作りだすランダムイベントだったのだ!! 一方、シュメールは、機械の直後に“官吏”を学ぶ。格好の獲物と化したサラディンにシュメールは鎚鉾パワーで立ちむかう。宿命の対決は、シュメールによるリグル破壊で終幕した。
60年後――アメリカ。シュメールからルネッサンスの新兵器、都市襲撃IIIライフル部隊(ライフル)がやってきた。アメリカの弱さを知ったライフルは、その都市、アトランタフィラデルフィアを落とす。そして、紀元前からの親友、アメリカ先住民、その属国、バビロニアとともに残るアメリカの都市、ワシントン、シカゴを次つぎと占領する。しかし、その一方、サンフランシスコでの闘いは熾烈を極めた。ランダムイベント「パルチザン結成」のパワーで鎚鉾5隊を手に入れたアメリカが、ライフルに襲いかかる!! だが、アメリカは、技術差に圧倒され、シュメールの属国となった・・・。


* * *


終戦後――現在のシド星。世界一の大国、シュメール(アメリカの宗主国)は、平和である。しかし、彼らには何やら不穏な計画があるようだ・・・。



〜引き続き、1822年〜
シフォン「共産主義コミュニズム、ゲットだぜ!」
すずな「一番乗りだったおかげで、無事に大スパイも確保できましたねっ! 黄金期要因、ってことで大丈夫ですか?」
シフォン「うん、潜入とか定住も考えたんだけどね。今現在、次なる戦いに向け各地に刑務所を建造中、完成すれば諜報ポイント産出量は莫大になるし大丈夫でしょ。それより、もう一人の偉人を早く確保しないと。飢餓を覚悟でメッカの偉人数を最大限に引き上げて・・・と、後5ターンまで短縮成功〜♪」
すずな「あれ、既に物理学に向かっていますけど、そこまでして早く偉人が欲しいんですか? どうせ後7ターンくらい後には一番乗りボーナスで大科学者生まれると思いますよ?」
シフォン「まぁ、一番乗りに失敗する可能性もあるしね、何より一ターンでも早く黄金期発動して国有化と普通選挙を導入したいから。国有化の維持費削減効果は凄まじいものがあるし、何より、ライフルの技術優位が有効なうちに次の戦争もしたいし」
すずな「次の戦争、ですか・・・まぁ、ここまでくれば制覇か征服が手っ取り早い勝利法ですし、反対はしません。で、対象国はどこにする予定なんですか?」
シフォン「ロシアにするつもり。彼らは既に職業軍人を開発しているから、属国化する傍ら、賠償として奪取しようと思って。騎兵隊に対火器の昇進をつければ、たとえ相手が歩兵を出してきても対抗できるしね」
すずな「なるほど、彼らがライフリングを入手して騎兵隊を解禁する前に叩いておく、というわけですね」
シフォン「他に、アメリカとの共同戦線ボーナスを稼ぎたいという理由もある。あと、今回は超短期決戦を狙うぞ? 座り牛が我々の背後を突く可能性も有るし、またロシア領土はハンムラビ領を切り取らぬことには微妙に併呑しにくい立地だからな、国力を残したまま早々に降伏させ、次の戦争での活躍を期待するという寸法だ」
すずな「次の戦争・・・ハンムラビか人造人間辺りがターゲットですね?」
シフォン「そうだ。ただまぁ、人造人間は、そのうち座り牛に降伏するだろ。だからターゲットはハンムラビで殆ど確定だろうな」
すずな「ハンムラビを攻めた場合、座り牛が介入する危険がありますね」
シフォン「そう、だからロシア併呑後は歩兵解禁まで戦争は控えることにする。その間、ワシントンとスターリンにライフリングを譲って、ライフル&騎兵軍団によるフォローを期待する、というわけだ」
すずな「我々は歩兵、ワシントンとスターリンはライフル・・・なるほど、戦った場合はワシントンとスターリンに被害が出て、我々は無傷。支配体制がより磐石になりますね」
シフォン「そういうことだ、というわけで戦争の準備をせよ! 主要都市に刑務所の設置が終わり次第、対ロシア宣戦をするぞ!」
すずな「了解っ」


〜1836年〜
すずな「報告します、物理学の研究が終わりました。どうやら座り牛も同じターンに研究が終わったようですが、プレイヤー特権で無事に大科学者マクスウェル氏を獲得できています」

シフォン「物理学のボーナスで、電磁気学の大家マクスウェルを獲得できるとは幸いだねぇ。んで彼の使い道だけど、ちょっと専門外だろうけど、生物学を研究してもらうことにするよ」
すずな「確かに、ゲーム終了の近いこの時期の科学者は、技術を開発させるのが一番有効ですからね。そうそう、少し前の話になりますが、人造人間が座り牛に降伏したようです。これにより、座り牛率いるアメリカ先住民は我々に次ぐ第二勢力としての地位を、確固たるものにしたようです」
シフォン「うむ・・・やはりか。とりあえず、今は祝電でも送っておけ。どうせクメールは弱小国、属国にしたところで旨みは無いだろうしな」
すずな「かしこまりました。また、物理学獲得により、新兵器『飛行船』の製造が可能になりましたが、どうしますか?」
シフォン「なになに・・・初の遠隔攻撃ユニット、広範囲の偵察が可能な他、こちらは全くダメージを受けずに敵にダメージを与えられる、とな?」
すずな「はい。敵にSAM歩兵か戦闘機が配備されない限り、撃墜される危険性はありません。ダメージ自体は微々たる物ですが、そこは数でフォローできますね。偵察飛行も、敵の兵力把握に非常に重要です。予め相互通行条約を締結して偵察を走らせる必要も、摘発のリスクを犯してスパイを潜入させる必要も、皆無になるでしょう」
シフォン「ふむ、ならばどんどん製造するように・・・あ、でも首都では鎚鉾兵の生産を行うように」
すずな「鎚鉾兵? 今更ですか?」
シフォン「戦車が解禁されるまでは、都市襲撃の昇進を付けられるのは鎚鉾だけだからな。幸いにも、アメリカとの戦争で生まれた大将軍の定住効果で、ウルクから生まれる陸上戦力は例外なく経験値11を保持している。都市襲撃IIIに必要な経験値は10だから、都市襲撃スキルを持たせてからアップグレードした方が強力な兵になる、そういうことだ。鎚鉾からライフルへの昇進費用は微々たる物だし、我々のGNPは世界でダントツ。多少金銭に収入を振り当てたところで研究の勢いは止まらないし、何ならアメリカあたりにでも研究を続けさせて金で買えば良いのだし」
すずな「なるほど。では、そろそろロシアとの戦争を見越して、研究は一旦停止する方針で行きましょうか」
シフォン「いや、それは生物学を確保してからだ。農場の食料+1は非常に重要、また国立公園も同じくらい重要・・・既に南極近くに国立公園都市シュルッパクも作ってある」

すずな「・・・いつの間に・・・といっても、遅いほうですけど。ある程度、人口伸ばして施設を作ってからの方が良かったのでは? てか、本当に保安林だけ・・・」
シフォン「うっ、それはそうだけど・・・いいじゃない、結果として生物学前に作れたんだし。これで無償専門家が7人だよ七人、他の生産力は期待できないけど」
すずな「ていうか、これじゃ国立公園設置まで、何ターンかかるんだか・・・」
シフォン「そこは普通選挙で何とかするって、ちゃんと例のアレも秘密裏に建造中だし・・・」
すずな「例のアレ? クレムリンですか?」
シフォン「そうとも言う」


〜1840年〜
すずな「・・・シフォンさん。大変悪いニュースが・・・」
シフォン「んー、どうしたの、そんな悲壮な顔をして?」

すずな「それが、バドティビラ隣の火山が、大噴火しまして。領内の工房や農場が大打撃を・・・。至急労働者を呼び寄せて復興していますが、生産力の減衰は免れない模様です」
シフォン「なんと・・・いや、町じゃなかっただけ良しとしようか・・・しかし・・・うむ。ピサロを呼べ!!」
すずな「・・・へ? なぜここでピサロ?」
シフォン「決まっておろう!  戦 争 だ ! ! !  この鬱憤、ロシアに八つ当たりしてくれるわっ!」
ピサロ「シフォン様、ただいま到着いたしました」
すずな「ランダムイベントの八つ当たりで戦争!? てかピサロ、もう到着したんですね」
シフォン「うむ、まぁ、実を言うと、いつでも戦争できるようロシア国境付近にピサロ隊を集結させておいたからな。本来ならば生物学完成を待ってから宣戦布告する予定だったが、まぁ数ターンなぞ誤差の範囲・・・聞いての通りだピサロ、我々はロシアを攻める! コサックが出る前に、徹底的に潰せ!!」
ピサロ「はっ! 問題ありません、次のターンには敵都市パルティアの攻略に移れます」
シフォン「よし、ロシアとの回線、開け! 宣戦布告だ! 理由は予め打ち合わせた通り、数年前に摘発されたスパイが『ロシアは我が国をコサックラッシュの標的にしようとしているかも』と言ったからだ! 追加で、バドティビラ火山の噴火は、貴様のスパイの工作によるものであると市民が噂をしている、とでも伝えておけ! 」
すずな「・・・八つ当たりどころか・・・大義名分も用意済み、殺る準備万端だったんですね・・・。まぁその、無茶しないようにね?」
ピサロ「はっ! 何、ロシアはこの今時長弓で都市を守っているような後進国家、我が精鋭兵にかかれば赤子の手をひねるようなもの!」
すずな「まぁ・・・そうなんでしょうけど。いいのかなぁ、こんな簡単に戦争しかけて・・・」
シフォン「いいってことよー♪ それではスターリンよ、貴公の首輪は我が手綱につながれるのがお似合いだ!!!」
すずな「属国化する気満々ですね・・・まぁサラディンのように完全に滅亡させられないだけマシな気もしますが」


〜1842年〜
シフォン「ではパルティア攻撃部隊、突撃せよ!!」
ピサロ「はっ。者ども、ひるむな! ライフルの力、存分に思い知らせてやろうぞ!!」
すずな「・・・パルティア、陥落。敵の兵5隊を倒しましたが、我らにも2隊の損失が出ています」
シフォン「ふむ、まぁ良いだろう。鎚鉾部隊は続々と完成しているのだ、我らが物量で負けるはずが無い」
すずな「黄金期のお陰で、ハンマー出力がありえないことになってますからね・・・。そうそう、生物学、入手しました」
シフォン「待ってました!! では、次は鉄道へ向かう・・・が、その前に、一度金銭100%にして都市改善の充実とユニットのアップグレードを狙おう」
すずな「ですかね。クレムリンの完成も、刻々と近づいていますし・・・そうそう、それからスターリンの研究課題が共通企画に移行した模様。後5ターンですね」
シフォン「うむ、遅すぎるな。ライフリング開発には間違いなく間に合うだろうが・・・しかし、急ぐに越したことは無いだろう。兵たちは1ターン回復したら、即行軍を再開だ!」
ピサロ「ははっ!」


〜1846年〜
すずな「・・・!? 報告します、パルティア近郊にロシア軍主力が接近! 19部隊からなる大スタックです!」
シフォン「ふむ・・・なぁに、攻められる前に殲滅すれば問題なかろう。パルティアに駐在する無傷のライフル、迎え撃て!」
すずな「・・・ダメです、数が多すぎます! といっても、残るはトレブシェット6のみですが・・・」
シフォン「ならば、ピサロ部隊、攻撃だ。相手がトレブなら、まさか負けはあるまい?」
ピサロ「はっ、あの程度、楽勝にございます!」
すずな「・・・ピサロ部隊(弓騎兵)、トレブ1部隊を撃破!! また側面攻撃により、残る5部隊も多大なダメージを追っています!」
シフォン「うむ。ならば負傷兵も攻撃せよ・・・未だ足りない? なら、メッカに居るチャリに出てきてもらおう。瀕死のトレブくらい楽勝だろうしな」
すずな「・・・・みたいですね。スターリン軍の主力、壊滅。こちらの損害はゼロ。また国境内の戦いにより大将軍が生まれたようです」
シフォン「大変結構!!! 大将軍は軍事学入手まで寝かせるぞ、今後は経験値より物量の世界になるだろうしな」
すずな「はっ。それと、このターンで黄金期が終わるようですが」
シフォン「ふむ。民主主義は・・・未だ入手できず、か。黄金期での奴隷解放はあきらめるしかないな」
すずな「それはまぁ、仕方ないですね」


〜1848年〜

シフォン「ねんがんの クレムリンを てにいれたぞ!」
すずな「これで、内政が一気に楽になりますねっ」
シフォン「作ったのはニプルだから、ころしてでも うばいとられる危険性もほぼゼロ。金銭による緊急生産によって素早く軍隊を組織できるようにもなるし、本当に助かるわー」
すずな「早速、各地の商業都市に金銭系の施設を建てていきましょう」
シフォン「それもいいけど、ユニットのアップグレードも忘れずにねー?」
すずな「はいはい分かりました、ちゃんと進めてますから心配無用ですって」


〜1854年〜

ピサロ「報告いたします。ロシア方面軍、ロストフに接触しました。いつでも攻撃できます」
シフォン「よし。敵は・・・長弓6に鎚鉾1、弓騎1、カタパ3・・・楽勝だな。では、ロストフ攻略・・・の前に、新兵器飛行船を投入するぞっ!」
すずな「はっ、既にバグダッドに飛行船3隊を配備済みです」
シフォン「よし、では空爆だ!! ・・・さて、どんな感じだ?」
すずな「はい、これにより長弓3部隊の耐久力が6から5に落ちました」
シフォン「なんだ、たった1下がっただけか・・・と言えないのが、このゲームなんだよね。それではライフル、突撃だっ!!」
すずな「ロストフ、陥落です!! 被害はライフル1のみ、防壁を削ってないこととパルティア戦の傷が回復しきっていないことを考えれば、驚異的と言えます」
シフォン「よし、その都市は統治する。バグダッドと都市圏はかぶるが、対岸であることを考えれば気にならないし、次のハンムラビ攻めでも基地として使えそうだしな」
すずな「分かりました、では執政官を派遣します。それから、この勝利で、ロシアが属国化に応じるようになりました」
シフォン「よし、では降伏させよう。もとより短期決戦の予定だったしな」
すずな「はい。スターリンから、以下の条件での降伏が提案されていますが」

シフォン「ふむ・・・職業軍人は渡してくれぬか・・・まぁいい、その提案、受け入れよう」
すずな「あれ? いいんですか?」
シフォン「ま、共産主義を渡せば態度は改善するでしょ。クレムリンが完成した今、秘匿する理由はどこにも無いし・・・そしたら技術交換で入手すればいいだけのこと、いざとなったらスパイで奪うという手も有るしね」
すずな「なるほど、ではここで停戦、と。 あ、それから民主主義ですが、共闘ボーナスおよび社会制度ボーナスで、ワシントンの態度が改善し入手可能になりました」
シフォン「よし、それではライフリングと交換だ。これでワシントンもライフル部隊が編成できる、対ハンムラビ戦で役立ってくれるだろう。・・・よし、わずかな現金とライフリングを引き換えに、民主主義獲得!」
すずな「早速、奴隷解放を宣言します。これでまた一歩、勝利に近づきましたね」
シフォン「奴隷解放で、一気に小屋が育ちやすくなるからな。今まで70ターン必要だったのが、35ターンに大幅削減というのは大きい・・・ふむふむ、絶好調じゃないか!」
すずな「悪いニュースもありますけどね。ワシントンから奪った都市ワシントンで、反乱が発生してるとか」
シフォン「う・・・そりゃ悪いニュースだねぇ・・・ワシントンは世界宗教である仏教の聖都、反乱中じゃお布施が貰えない・・・今後このようなことが無いよう、他文化が優勢な都市に駐留する軍隊の数を増やすように」
すずな「それがよさそうですね。・・・といったところで、キリもいいですし第11回はこの辺でお開きにしますか?」
シフォン「そーしよっか。それでは皆様、次回までごきげんよう


スターリン征伐(1840〜1854) 戦果
パルティアおよびロストフを占領、ロシアを属国化
撃破:長弓11 チャリ1 弓騎6 象兵3 カタパ3 トレブ12 、計36ユニット
損失:ライフル4のみ