http://www.open-std.org/jtc1/sc22/wg21/docs/papers/2011/#mailing2011-04
最新ドラフトは N3290, N3291 になったようです。
前者は FDIS で、このまま何事もなく承認されれば、そのまま国際標準となる版です。
後者は Working Draft で、今までのドラフト N3242 との差異が示されています。
気になる変更点ですが、興味深いものは、
constexpr
関数中にstatic_assert
やtypedef
等が置けるようになった (N3268)decltype
中の関数呼び出しにおいて不完全型が許容されるようになった (N3276)auto
を使ったメンバ関数の宣言/定義においてthis
を正しく扱えるようになった (N3282)std::tuple_cat
が Variadic Templates を使うようになった、is_explicitly_convertible
が取り除かれた (N3284)- SFINAE においてアクセス制限が考慮されるようになった (N3294)
この辺りでしょうか。
一方で、これはミスかな、と思ったのは、 N3279 において
std::basic_string
の swap
に対する noexcept
指定が取り除かれているけれども、
Move コンストラクタおよび Move 代入演算子は noexcept
指定されたままである、
という点ですが、まあ些細なことなので、修正されなくても実害はない気がします。
詳しい解説や、その他の変更点に関しては
http://cpplover.blogspot.com/2011/04/post-madrid-mailing.html
を参照してください。
ともあれ、今までのドラフトに対する極端に大きな差異はないようなので*1、
恐らくは これが承認され、 C++0x は近いうちに確定することになるでしょう。
*1:ちゃんと全部読んだわけではないので、もしかしたら文面の変更は些細でも、与える影響は大きい物が紛れ込んでいる可能性もありますが